社長メッセージ

清水榮一エフケイティーラボ 代表取締役社長 清水榮一
昭和54年「エネルギーの使用の合理化等に関する法律(以下、省エネ法)」が制定されて以来、建築物への省エネ性能が求められるようになりました。平成の時代に入り、その性能に対するニーズは、災害や気候変動に伴う主として電気エネルギー事情に対する経済的なニーズとして高まりはじめ、省エネ法の改正が数度繰り返され、近年では一定規模の建物に対しての省エネ性能を、一定基準に満たすことを義務化することになりました。

その過程において、様々な断熱手法が開発され、また、建材としての断熱材も高性能化してまいりました。さらに、空調機器の発達に伴い、冷暖房能力が格段にアップしました。数値的な意味合いにおいては、建材や空調機器の性能によって、高度な温熱環境性能を手に入れることは可能となりました。ですが、現実的にはどうでしょうか? 断熱性能があがったとしても、室温を保つためには空調機器はかかせませんし、断熱性能をあげるためには、相当量の断熱材を必要とし、かつ、相当の壁の厚さが必要となるわけです。これらは熱エネルギーを外界から侵入するもの、室内から逃げ出すもの、その両方に対して「抵抗材」として存在させるためです。「抵抗材」として熱に対抗するわけですから、熱エネルギーは反射することなく、抵抗材にとどまるわけですが、このとどまった熱がその後どのように挙動するか?この現実を知りえていない方は非常に多いです。断熱材は、字面こそ、「熱を断つ」と書きますが、その実は、熱を通すスピードを遅らせているにすぎないということなのです。

弊社の原点は建築物の設計施工です。その建築物の設計施工を通じ、この熱の挙動についての「現実」に気が付きました。そして、この10年、本当に「熱を断つ」技術はないのか?という基本命題を元に、研究と開発を行ってまいりました。そして、その過程で得たものが「遮熱」という技術です。私たちは積極的に「遮熱」技術を取り入れ、これまで建築物を提供してまいりました。断熱材を高性能化することもなく、壁の厚さが過度の厚くなるようなこともなく、さらに高性能な断熱材を使ったり特殊な工法をとることもなく、コストも格段に抑えることができました。そこで、この「遮熱」技術をもっと広く使い、これまで提供できない分野に対して、その分野のニーズに合わせた温熱環境を提供することを専門的に研究し、ノウハウを提供していくために、「有限会社FKTlab」を創設いたしました。「こんな方法があったのか!」、「思った通りの効果だった!」とご評価いただけるように、これからも全社を挙げて研究、開発に邁進していく所存です。今後とも格段のご支援、ご愛顧のほどよろしくお願い申し上げます。